新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の閣議決定/弁護士法人赤瀬法律事務所ブログ

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新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の閣議決定

令和2年4月20日,新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の閣議決定がなされました。
https://www5.cao.go.jp/keizai1/keizaitaisaku/2020/20200420_taisaku.pdf

感染拡大防止策として全ての世帯に布製マスク2枚を配布するほか,検査体制の強化,医療提供体制の強化,治療薬・ワクチンの開発加速など種々の政策が盛り込まれていますが,特に注目されているのは,全国一律で一人あたり10万円の給付を行う特別定額給付金(仮称)ではないでしょうか。

この特別定額給付金(仮称)は,基準日(令和2年4月27日)において,住民基本台帳に記録されている者が対象となり,国内に住む日本人と3か月を超える在留資格などを持ち住民票を届け出ている外国人が対象となるものです。

新型コロナウイルス感染症により経済は甚大な影響を受けており,生活の不安を抱えている人も多くおられますので,そういった方々の生存権を保証するためには欠かせないものといえます。近年注目されているユニバーサル・ベーシック・インカム(住民全員に毎月一定額の現金を無条件かつ一律に給付する政策)のパイロット運用という見方もできますので,これによる今後の効果については注視する必要があります。

もっとも,通常,ユニバーサル・ベーシック・インカムを導入する際には,年金や生活保護などの社会保障給付を置き換えたり,増税をするなどして,財源を確保します。しかし,今回の特別定額給付金(仮称)では,そういった対策はできませんので,補正予算として,給付事業費としては12兆7344億1400万円,事務費としては1458億7900万円,総額12兆8802億9300万円を要する政策となっています。多くは,国債の増発で賄わざるを得ないものと思われますが,日本は,平成30年度末の時点ですでに976兆8035億円もの国債残高を抱えています。これは,過去最大の数字になります。
https://www.mof.go.jp/jgbs/publication/debt_management_report/2019/saimu2019-3-ho.pdf

日本の令和2年度予算における税収は63兆5130億円ですから,単純計算すれば,年間の収入の15年分以上もの借金を抱えているということになります。年収400万円の人が,6000万円以上の借金を抱えているのと同じ計算で,かなり危機的な状況と言えます。
そのため,新型コロナウイルス感染症問題が解決した際には,東日本大震災の際に復興特別税が導入されたように,何らかの増税がされるものと思われますが,将来の世代にツケを負わせないためにも,より一層の財政健全化も必要と思われます。

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