産業廃棄物処分業許可取り消し/赤瀬法律事務所ブログ

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産業廃棄物処分業許可取り消し

平成29年11月20日,沖縄県は,県内大手の産業廃棄物処理業者に対し,産業廃棄物処分業許可の取消しなどの行政処分を行ったと公表しました。
http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/seibi/sangyo/gyouseisyobun.html

処分の理由としては,同社は「平成25年ころから平成28年8月ころまでの間、自社の管理地において、廃棄物である燃え殻等を覆土された状態で放置し、もって、みだりに廃棄物を投棄したもの」というものです。これらの行為は,廃棄物処理法第16条が禁止する不法投棄に該当するもので,情状が特に重いときは許可を取り消さなければならないとされている違反行為になります(同法第14条の3の2第1項第5号)。

報道によれば,同社は利益重視で処理能力を上回る廃棄物を受け入れ,敷地内に積み上げてきた結果、高さ約30メートルに達する「ごみ山」を築き上げたそうです。その後,周辺地下水の水質が大幅に悪化するなどの実害も生じたため,県や周辺自治体と協議してごみ山の撤去計画を立案しましたが,その一部を系列会社の敷地内のくぼ地に運び入れ,土を被せて放置していたとのことです。自社の敷地内とはいえ,ごみ山を築き上るだけでも問題ですが,そのごみ山の撤去を周辺自治体に約束したにもかかわらず,ごみ山の一部を別の場所に運搬して違法に埋めて隠蔽したとなれば,情状が特に重いと判断されてもやむを得ないでしょう。

ただ,今回の処分は,県全体で出るごみの約1割を処理しており,在沖米軍が出す一般廃棄物の約6割も処分していたとされる同社が今後業務を行えなくなるということを意味します。そうなると,今後毎日のように県内で出されるごみを他の業者だけで処理できるのか,そして,いまだ撤去が完了していないごみ山を誰の負担でどのように撤去するのか,といった問題が生じます。沖縄県の場合,島という特性上,県外搬出をするとなると膨大な費用がかかります。一方で,沖縄本島には管理型最終処分場は同社を含めて民間3カ所しかなく、処理能力にも限りがありますので,その解決は容易ではないと思われます。

このような多くの問題を生起させた同社への行政処分ですが,そもそもの発端は,同社が利益重視で処理能力を上回る廃棄物を受け入れたことにあります。確かに経営が厳しい際には利益重視になってしまうこともあるかと思いますが,その結果,行政処分を受けるとなれば本末転倒です。当事務所では法的な解決も含め,経営のアドバイスを行うことが可能ですので,経営が厳しい際には,ぜひ一度当事務所にご相談いただければと思います。

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